「こども誰でも通園制度」とは?2026年度本格実施で保育士の仕事はどう変わるか
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「来年度から、うちの園でも『誰でも通園』が始まるらしい」
職員会議でそう聞いたとき、正直なところ「また仕事が増えるのか」と思った人は多いんじゃないだろうか。
「こども誰でも通園制度」。名前は聞いたことがあっても、具体的に何がどう変わるのか分からない。自分の業務にどう影響するのか、人員は増えるのか、準備は何をすればいいのか。
この記事では、保育士の立場から「実際に何が変わるのか」を整理する。私自身、保育士として20年現場に立ち、大阪から関東へ移ってきた一人として、制度の変わり目に現場が振り回されてきた感覚をふまえて書きたい。
こども誰でも通園制度とは何か?
「こども誰でも通園制度」は、親の就労状況に関係なく、未就園の子どもが保育園等を利用できる制度だ。
これまで
保育園を利用するには、「保育の必要性」の認定が必要だった。つまり、親が働いている・病気で育児ができない等の理由がないと、保育園に入れなかった。
これから
親が働いていなくても、すべての子どもが保育園を利用できるようになる。一時預かりに近いが、定期的な利用も可能。
2026年度から何が変わるのか?
2023年度からモデル事業として試行されていたこの制度が、2026年度から本格実施に移行する。2026年5月時点では、利用時間など一部の運用ルールはまだ調整段階にある。
主な変更点:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 0〜2歳の未就園児(3歳以上は幼稚園・保育園の既存制度で対応) |
| 利用時間 | 月10時間を上限とする方向で調整中 |
| 利用料 | 一定の自己負担あり(金額は自治体により異なる) |
| 実施主体 | 市区町村(認可保育園・認定こども園・地域型保育等に委託) |
時間としては短い。でも現場への影響は時間の長さだけでは測れない。
保育士の仕事はどう変わるのか?
1. 新しい子どもを定期的に受け入れる業務が増える
在園児とは別に、定期的に新しい子どもが来る。名前、アレルギー、家庭環境。毎回、初対面の子どもの情報を把握する必要がある。
2. 保護者の層が変わる
これまでの保育園利用者は「共働き」が前提だった。新制度では専業主婦世帯も来る。保護者の背景や期待値が多様になる。
「一時的に預けたい」だけの保護者と、「子どもの発達を見てほしい」という保護者では、求められる対応が違う。
3. 記録・書類が増える
利用者ごとの記録、アレルギー対応、保護者への報告。短時間の利用であっても、記録業務は発生する。
4. 心理的な負担
初めて来る子どもは泣くことが多い。慣れない環境で不安な子どもをケアしながら、在園児の保育も並行する。心理的な負担は大きい。
なぜ75%の保育士が「不安」と回答するのか?
ある調査で、保育士の約75%が「こども誰でも通園制度に不安がある」と回答している。
不安の内容は:
- 人手が足りない(最多)
- 受け入れ体制が整っていない
- 初対面の子どもの安全管理が心配
- 在園児の保育の質が下がる
- 書類業務が増える
現場が今から準備できることは?
1. 受け入れフローを園で決めておく
- 利用登録時に何を確認するか(アレルギー、既往歴、緊急連絡先)
- 当日の受け入れ手順(誰が担当するか、在園児との関わり方)
- トラブル時の対応(泣き止まない、体調急変)
2. 記録テンプレートを作る
利用者ごとの記録を効率的に取るためのテンプレートを用意する。コドモン等のICTツールに項目を追加できるなら、デジタル化しておく。
3. 園内で共有・相談する
制度への不安は一人で抱え込まない。職員会議で「実際にどう対応するか」を話し合っておく。
この制度をきっかけに、環境を見直す
新制度の導入は、園の姿勢が見えるタイミングでもある。
- 人員を増やして対応する園
- 現場に丸投げする園
- そもそも制度への対応を後回しにする園
「うちの園は大丈夫だろうか」と不安を感じたなら、他の園の対応状況をエージェント経由で聞いてみるのも一つの方法だ。
まとめ
- 「こども誰でも通園制度」は2026年度から本格実施
- 親の就労状況に関係なく、0〜2歳の未就園児が保育園を利用できる
- 保育士には新たな業務負担が発生する(受け入れ・記録・心理的負担)
- 75%の保育士が不安を感じている。人手不足が最大の懸念
- 園の準備体制が、現場の負担を左右する
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P.S.
新しい制度が始まるたびに現場が振り回される、という構図は保育業界の慢性的な課題だ。でも、制度の変わり目は「自分の働く場所を見直すタイミング」でもある。不安を感じているなら、その感覚は正しい。
こども誰でも通園制度に関するFAQ
「こども誰でも通園制度」って何?
親の就労状況に関係なく、未就園の子どもが保育園等を利用できる新しい国の制度のことです。
従来は「保育の必要性」認定(共働き等)がないと保育園に入れませんでしたが、新制度では親が働いていなくてもすべての子どもが利用可能に。一時預かりに近いが定期利用も可能で、2026年度から本格実施されます。
こども誰でも通園制度は何歳から何時間使える?
0〜2歳の未就園児が対象、利用時間は月10時間を上限とする方向で現在調整中です。
対象は0〜2歳の未就園児(3歳以上は既存制度で対応)。利用時間は月10時間を上限とする方向で調整中。利用料は一定の自己負担あり(自治体により異なる)。実施主体は市区町村で、認可保育園・認定こども園・地域型保育に委託される形です。
こども誰でも通園制度で保育士の仕事はどう変わる?
新規受け入れ業務・多様な保護者対応・記録増加・心理的負担増の4つが現場に発生します。
現場への影響は4つ。①定期的に新しい子どもを受け入れる業務(名前・アレルギー・家庭情報の把握)、②専業主婦世帯も含む多様な保護者対応、③利用者ごとの記録・書類業務、④初対面で泣く子のケアと在園児保育の並行。短時間でも負担は大きいです。
誰でも通園制度に保育士はどれくらい不安を感じている?
ある調査では、約75%の保育士が「不安がある」と回答しており、人手不足が最大の懸念です。
調査によると保育士の約75%が不安を表明。内容は①人手不足(最多)、②受け入れ体制未整備、③初対面の子の安全管理、④在園児の保育の質低下、⑤書類業務増加。不安を感じること自体は正常で、問題は園がどう準備するかです。
誰でも通園制度に向けて現場で準備できることは?
受け入れフロー策定・記録テンプレ作成・園内共有の3つを職員会議で進めるのが現実的です。
現場でできる準備3つ。①受け入れフロー(登録時確認項目・当日手順・トラブル対応)を園で決める、②利用者ごとの記録テンプレを用意(コドモン等のICTツールに項目追加)、③職員会議で対応を共有・相談する。一人で抱え込まず園主導で進めることが鍵です。