「保育士の給料が上がる」とニュースで見た。

でも正直なところ、こう思いませんでしたか。「本当に、自分の手取りに反映されるの?」

毎年のように処遇改善のニュースは流れます。でも給与明細を見ても、実感がない。「上がったのはどこの話?」と思いながら働いている人は多いはず。

だから今回は、2026年度に実際に何が変わるのかを数字で整理します。「なんとなく上がるらしい」ではなく、具体的にいくら・どの制度で・誰が対象なのかをはっきりさせていきます。


2026年度の処遇改善——全体像

2026年度の保育士処遇改善は、大きく3つの柱があります。

内容 インパクト
公定価格の人件費改定 5.3%の賃上げ 全体の底上げ
処遇改善加算の一本化 加算I・II・IIIを統合 制度の簡素化・配分の見直し
配置基準の見直し 4・5歳児25:1、1歳児5:1 人員増=負担軽減
🐻 クマオ
「5.3%って、月給22万円だったら月1万1,600円の増額。年間で約14万円。……思ったより少ない?」

月額だけ見ると大きく感じないかもしれません。でも処遇改善加算と合わせれば、園によっては年間20〜30万円の差が出てきます。ポイントは「園によって」という部分です。

※数字の出典:こども家庭庁「令和8年度予算概算要求」および厚生労働省資料(2026年4月時点)


5.3%賃上げの中身

2026年度の公定価格改定で、保育士の人件費が5.3%引き上げられました。

これは国が保育園に支払う運営費のうち、人件費部分を増額するということ。つまり園に入るお金が増えます。

🐰 ピョンちゃん
「園に入るお金が増えても、それが自分の給与に反映されるかは別の話ってこと?」

その通り。公定価格の増額分をどれだけ職員の給与に配分するかは、園の裁量に委ねられている部分があります。経営状態が厳しい園では、増額分が施設の維持費や借入金の返済に回されるケースもあります。

ただし、処遇改善加算については「職員の給与に充てること」が義務づけられています。ここが公定価格との違いです。


処遇改善加算の一本化——何が変わるのか

これまで3つに分かれていた処遇改善加算が、一本化される方向で進んでいます。

これまでの3つの加算

種類 支給額の目安 対象
加算I 月額6,000〜40,000円 勤続年数に応じて変動
加算II 月額5,000〜40,000円 キャリアアップ研修修了者
加算III 月額6,000〜11,000円程度 全保育士(年度により変動)
🐱 にゃーこ
「3つの加算を一本化するって、金額が減るの?増えるの?」

制度の統合なので、基本的には支給総額は維持される方向です。ただし、一本化にともなって配分ルールが変わる可能性があります。

これまで加算IIは「副主任・専門リーダー等の役職者に月4万円」という配分が多かったのですが、一本化後はより柔軟に配分できるようになる見込み。園によっては、一般保育士にも加算が行き渡りやすくなります。

👩‍🏫 先生
「一本化の狙いは、制度の複雑さを解消すること。現場の事務負担も減る。園長や主任が加算の申請に費やしていた時間が、本来の保育業務に使えるようになるのは大きい」

配置基準の見直し——保育士にとっての意味

2026年度から、保育士の配置基準が以下のように見直される。

年齢 旧基準 新基準
4・5歳児 30:1 25:1
1歳児 6:1 5:1
🐻 クマオ
「30人を1人で見てたのが25人になるだけでも、全然違う。子ども5人分の差って、書類も保護者対応も全部変わるじゃないか」

配置基準の改善は、直接的に給与が上がる話ではありません。でも間接的に影響があります。

保育士1人あたりの負担が減る → 持ち帰り仕事が減る → 残業が減る → 実質的な時給が上がる。

さらに、配置基準を満たすために園は保育士を増員する必要があります。保育士の需要が高まれば、待遇改善の圧力がかかるわけです。


園によって差が出る理由

処遇改善の恩恵を受けられるかどうかは、勤務先の園によって大きく異なります。

差が出る主な理由:

  1. 加算の配分率が違う:同じ加算を受けていても、職員にいくら配分するかは園ごとに違います
  2. キャリアアップ研修の受講状況:研修を修了していないと加算IIの対象になりません
  3. 認可外は原則対象外:処遇改善加算は認可保育所が対象。一部の認可外(企業主導型等)を除いて対象外です
  4. 法人の経営判断:増額分を施設整備に回す園もあります
🐰 ピョンちゃん
「同じ『認可保育所』でも、処遇改善の配分が全然違うってこと?それって外から分かるの?」

外からは分かりにくい。だから確認する方法が重要になります。


自分の園が本当に上がるか確認する方法

方法1:直接聞く

園長や主任に「処遇改善加算はいくら配分されていますか」と聞く。直球で聞きにくい場合は、「来年度の処遇改善の予定はありますか」という聞き方でもいいです。

方法2:給与明細を確認する

処遇改善加算は、給与明細に「処遇改善手当」や「特殊業務手当」として記載されていることが多いです。記載がない場合は、基本給に含まれているか、そもそも配分されていない可能性があります。

方法3:モデル給与の公開情報を確認する

2026年度から、保育園のモデル給与の公開が進んでいます。自治体のウェブサイトや、園の採用ページで確認できるケースが増えてきました。

方法4:転職エージェントに聞く

👩‍🏫 先生
「エージェントは園の内部情報を持っていることが多い。処遇改善の配分率、実際の手取り額、過去の昇給実績。こういった情報は求人票に載っていない。エージェント経由で確認してもらうのが一番確実だと思う」

まとめ

  • 5.3%の賃上げで月給22万円なら年間約14万円の増額(総支給ベース)。ただし園による配分差がある
  • 処遇改善加算の一本化で、一般保育士にも加算が行き渡りやすくなる可能性
  • 配置基準の見直しで、保育士1人あたりの負担が軽減される
  • 園によって差が大きい。自分の園の配分状況を確認することが先

「国が処遇改善をやっている」のは事実。でもその恩恵が自分に届いているかどうかは、自分で確認しないと分からない。確認した結果「うちの園は配分が少ない」と分かったなら、それは転職を検討する合理的な理由になる。


処遇改善が手厚い園を探すなら

処遇改善加算の配分率は求人票に載っていない。エージェントに「処遇改善が手厚い園を探している」と伝えるだけで、条件に合った園を絞り込んでもらえる。

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P.S. この記事は2026年4月時点の情報をもとにしている。処遇改善の詳細は年度ごとに変わるため、最新情報はこども家庭庁の公表資料またはエージェント経由で確認してほしい。