保育士は年度途中で辞めてもいい?民法627条で2週間後に退職できる
本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)を含む場合があります。
「やめるなら年度末まで待ちなさい」
園長に退職の相談をしたら、こう返された。
はい、よく聞く話です。
「子どもたちのことを考えて」「担任が途中で変わるのは良くない」「せめて3月まで」。正論のように聞こえます。でもそれ、法律的に正しいのでしょうか。
結論から言います。保育士は年度途中で辞められます。法律上、何の問題もありません。
私は保育士歴20年、大阪で長く現場に立ち、いまは関東に移って、こうして文章を書いています。「年度途中で辞めたい」と相談に来る同僚や後輩を、何人も見てきました。だからこそ、今日は法律・園への影響・退職しやすい時期を、できるだけ正確に整理しておきたいと思います。
法律上、年度途中で辞められるのか?
民法627条には、こう書かれています。
期間の定めのない雇用契約の場合、いつでも解約の申入れをすることができ、申入れの日から2週間を経過すると雇用契約は終了する。
つまり、正社員(無期雇用)の保育士は、退職届を出してから2週間後に辞められます。
※パート・契約社員など有期雇用の方は、契約期間中の退職にはやむを得ない事由が必要になる場合があります。該当する方は就業規則を確認してください。
法律上は、民法627条が優先されます。就業規則に「2ヶ月前」と書いてあっても、法的には2週間で辞められます。
ただし、円満退職を目指すなら就業規則に従った方がいい。2週間で辞めると園との関係がこじれる可能性はある。法律上は正当でも、現実的には1〜2ヶ月前に伝えるのが無難です。
年度途中で辞めると本当に迷惑なのか?
正直に言うと、年度途中の退職は園にとって負担です。
- 担任が途中で変わる
- 後任の保育士を探す必要がある
- 子どもや保護者への説明が必要
その気持ちは分かります。でも、こう考えてほしいのです。
体調を崩しながら子どもの前に立つ方が、子どもにとってよくない。
笑えない先生、イライラしている先生、心がここにない先生。子どもはそれを敏感に感じ取ります。自分のコンディションが保てない環境に居続けることは、子どものためにもなりません。
年度途中で退職しやすい時期はいつ?
では年度途中で辞めるとして、いつが最もスムーズか。
6月、行事の谷間
4〜5月の新年度バタバタが落ち着き、7月の夏行事が始まる前の谷間。代替要員を探す時間も確保できる時期です。
8月、夏休み期間
幼稚園併設型やこども園では夏休みがあります。保育園でもお盆前後は園児数が少なくなる時期。引き継ぎがしやすいタイミングです。
12月、年度後半の区切り
年末は一つの区切りになります。1月から新しい先生に引き継いで、3ヶ月間で子どもとの関係を作ってもらう時間があります。
運動会や発表会の直前(9〜11月) は、さすがに混乱が大きいです。可能であればこの時期は避けた方が、自分も園もラクになります。
ただし繰り返しますが、体調を崩しているなら時期は関係ありません。すぐに辞めていいのです。
園長にどう退職を伝えるべきか?
ステップ1:まず園長に口頭で伝える
退職届をいきなり出すのではなく、まず口頭で意向を伝えます。
切り出し方の例: 「ご相談があります。○月末をもって退職させていただきたいと考えています」
ステップ2:理由は具体的に、でも攻撃的にならない
| OK | NG |
|---|---|
| 「家庭の事情で」 | 「この園のやり方が嫌で」 |
| 「キャリアを見直したい」 | 「園長のパワハラが原因」 |
| 「体調面で不安がある」 | 「給料が安すぎる」 |
円満退職が目的なら、オブラートに包んだ方がいいです。本音は転職エージェントに話す。園長に伝えるのは「角が立たない理由」で十分です。
ステップ3:引き継ぎ書類を作る
- クラスの子ども一人ひとりの情報(アレルギー、発達の特性、保護者への連絡事項)
- 進行中の行事の準備状況
- 月案・週案のフォーマットと過去の記録
引き継ぎをちゃんとやると、「最後まで責任感のある先生だった」という印象が残ります。
引き止められたらどうする?
退職を伝えると、引き止められることが多いです。
- 「もう少し頑張れないか」
- 「来年は環境を変えるから」
- 「あなたが辞めると困る」
退職の意思が固いなら、「ありがたいお言葉ですが、決意は変わりません」で通します。感情的にならず、淡々と伝えるのがポイントです。
まとめ
- 法律上、保育士は年度途中で辞められる(民法627条・2週間前)
- 就業規則に従った方が円満退職しやすい(1〜2ヶ月前が現実的)
- 退職しやすい時期は6月・8月・12月
- 体調を崩しているなら時期は関係ない。すぐに辞めていい
- 引き止めに応じて残っても、環境が変わることはほぼない
転職先を探してから辞める
退職を決めたら、辞める前に早めにエージェントに登録しておく。次の職場が決まっている状態で辞める方が、精神的にも経済的にも安定します。
登録してお金がかかるものではないので転職検討中という形で登録だけしときましょう。

関連記事
P.S. 年度途中で辞めた保育士を「無責任」と言う人がいます。でも、無責任なのは辞めることじゃなくて、辞めたい人を引き止めて潰すことだと思います。
保育士の年度途中退職に関するFAQ
保育士は年度途中で辞めても法律的に問題ない?
問題ありません。民法627条により、退職届を出してから2週間後には退職が成立します。
民法627条により、期間の定めのない雇用契約は退職届提出から2週間で終了します。正社員(無期雇用)の保育士は、就業規則に「2ヶ月前」と書いてあっても法的には2週間で辞められます。ただしパート・契約社員は契約期間中の事情が必要です。
保育士が退職しやすい時期はいつ?
6月・8月・12月の「行事の谷間」です。引き継ぎがしやすく園との関係も荒れにくくなります。
退職しやすい時期は3つ。①6月(4〜5月新年度の落ち着き〜7月夏行事の前)、②8月(夏休み期間で園児数が少ない)、③12月(年度後半の区切り)。逆に9〜11月の運動会・発表会直前は混乱が大きいので避けるのが無難です。
就業規則に「2ヶ月前」とあっても2週間で辞められる?
法律上は2週間で辞められますが、円満退職を目指すなら1〜2ヶ月前に伝えるのが現実的です。
民法627条が就業規則より優先するため法律上は2週間で退職可能。ただし2週間で辞めると園との関係がこじれる可能性があるため、円満退職を目指すなら就業規則に従い1〜2ヶ月前に伝えるのが現実的。体調不良時は時期を問いません。
保育士の退職理由を園長にどう伝える?
「家庭の事情」「キャリア見直し」「体調面の不安」など、角の立たない理由で十分です。
OK例は「家庭の事情で」「キャリアを見直したい」「体調面で不安がある」。NG例は「園のやり方が嫌で」「園長のパワハラ」「給料が安すぎる」。本音は転職エージェントに話せばよく、園長には角の立たない理由を伝えるのが円満退職の型です。
年度途中退職の罪悪感はどう向き合えばいい?
体調を崩しながら子どもの前に立つ方が、子どもにとって良くないことを思い出してください。
笑えない先生・イライラしている先生を子どもは敏感に感じ取ります。自分のコンディションが保てない環境にいることは、子どものためにもなりません。「辞める=無責任」ではなく、自分が元気でいられる環境を選ぶことも保育士の判断です。