「この子、前の園ではみんなと合わせられなかったんです」

保育士Aさんが、泣きそうな顔で相談に来たことがあります。

👩
保育士Aさん
「先生、聞いてください。今度4歳クラスに転園してくる男の子のお母さんと面談したんです。そのとき、お母さんがうつむきながら『この子、前の園ではみんなと合わせられなかったんです』って、ぽつりと言って……」
👩
保育士Aさん
「診断は受けていないそうなんですけど、集団行動が苦手で、お遊戯の時間に一人だけ部屋の隅にいることが多かったって。『また同じように言われるかもしれないって思うと、預けるのが怖くて』って涙ぐんでて、私、何て返していいか分からなくて……」

私はその場で、保育士Aさんの肩に手を置きました。

👩‍🏫
ベテラン先生
「Aさん、それは相当しんどい面談だったと思います。お母さん、勇気を出して話してくれたんですね」
👩‍🏫
ベテラン先生
「でもね、その子は\"合わせられなかった\"のではないんです。たぶん\"合わせるための環境が整っていなかった\"だけ。保育士の役割は、その子を変えることではなく、その子が過ごしやすい環境を整えることですから」

発達に特性のあるお子さんへの対応は、多くの保育士が「どうしたらいいか分からない」と悩む分野です。私自身、何度も試行錯誤してきました。

そして2024年4月、保育園にとって大きな転換点がありました。障害者差別解消法の改正で、合理的配慮が"努力義務"から"義務"になったんです。

この記事では、2024年施行の法改正の基礎知識と、現場で今日から使える合理的配慮テクニック7選、そして保護者との連携の仕方を具体的にまとめます。


2024年4月施行 障害者差別解消法の改正ポイント

まずは制度の話をベテラン先生に整理してもらいます。難しく聞こえるかもしれませんが、要点はシンプルです。

👩‍🏫
ベテラン先生
「正式名称は『障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律』。略して\"障害者差別解消法\"と呼ばれているものですね。2016年に施行された法律ですが、2024年4月1日に改正版が施行されたんですよ」
👩
保育士Cさん
「先生、何が変わったんですか?」

👩‍🏫 ベテラン先生
「一番大きい変更点は、民間事業者の合理的配慮が\"努力義務\"から\"法的義務\"になったこと。これまで国公立の保育園や行政だけに義務づけられていたのが、社会福祉法人や民間の認可園・認可外保育施設、企業主導型保育事業まで全部対象になったんですよ」

👩‍🏫
ベテラン先生
「つまり、ほとんど全部の保育園が対象ということですね」

合理的配慮とは何か

「合理的配慮」という言葉、難しく聞こえますよね。でも意味はシンプルです。

障害や発達特性のある人が、他の人と同じようにサービスを受けられるように、過重な負担にならない範囲で調整すること。

保育園でいえば、たとえば:

  • 音に敏感な子のために、活動中に静かに過ごせるスペースを確保する
  • 見通しが持ちにくい子のために、一日のスケジュールを絵カードで見せる
  • 集団の声かけが届きにくい子のために、個別に名前を呼んで伝える

こういう「ちょっとした工夫」すべてが合理的配慮です。大げさな設備投資じゃなくていい。

👩
保育士Cさん
「えっ、それなら普段やってることに近いかもしれません」
👩‍🏫
ベテラン先生
「そう、そこが大事なポイントです。合理的配慮って\"特別なこと\"ではなく、\"一人ひとりに合わせる\"保育の延長なんですよ。新しく何かを足すというより、今までやっていた配慮を意識的に、丁寧にやる感じですね」

違反した場合どうなる?

👩
保育士Aさん
「違反すると罰則あるんですか?」
👩‍🏫
ベテラン先生
「直接的な罰金はないんですよ。ただし、行政から報告を求められたり、改善勧告を受けたりする可能性がある。悪質な場合は事業者名を公表されることもあるし、保護者から訴訟を起こされるリスクも出てきます」
👩‍🏫
ベテラン先生
「罰則の重さよりも、『園として配慮を怠ってはいけない』という姿勢が問われる時代になったということですね」

大事なのは、配慮は「してあげる」ものではなく、保育士と園の義務だという視点の転換です。


発達特性のあるお子さんに保育園で出会うこと

保育園で働いていると、「あれ、この子もしかして……」と感じる場面があります。

  • 集団の一斉指示が入りにくい
  • 予定変更に強く抵抗する
  • 特定の音や光を嫌がる
  • 友達とのやりとりでトラブルが多い
  • 手先の使い方・体の動かし方に独特さがある

こういう姿を見たとき、どう捉えるかが出発点です。

未診断のお子さんが圧倒的に多い

👩
保育士Cさん
「療育の勉強始めて分かったんですけど、幼児期ってまだ診断が難しい時期なんですね」
👩‍🏫
ベテラン先生
「そう、Cさん。発達の専門機関でも、3歳・5歳児健診で\"傾向\"を伝えられることはあっても、確定診断は就学前後までつかないことが多いです。保育園で出会うお子さんの多くは未診断の状態ですよ」

👩‍🏫 ベテラン先生
「しかも、幼児期の発達は個人差が大きい。同じような姿を見せても、成長とともに自然に落ち着く子もいれば、継続的なサポートが必要な子もいる。今見えている姿だけで\"この子はこうだ\"と決めつけるのは危険なんです」

「特性があるかもしれない」視点で捉える

診断の有無にかかわらず、「この子には、こういう特性があるかもしれない」という視点で捉えるだけで、保育士の対応は大きく変わります。

たとえば集団活動に入りにくい子を「困った子」と見るのか、「集団の刺激が多すぎて疲れてしまうのかもしれない」と見るのか。後者の視点を持てた瞬間、やるべき配慮が自然に見えてきます。

👩
保育士Aさん
「私、最初はどうしてもイライラしちゃう日もあったんです。でも、先生に『その子の行動には、その子なりの理由がある』って教えてもらってから、\"なぜだろう?\"って考えるようになって。そしたら、対応がすごく変わりました」

発達特性は「障害」ではなく「違い」。一人ひとりの個性として、フラットに捉える姿勢が出発点です。


現場で使える合理的配慮テクニック7選

ここからが本題。現場で今日から使えるテクニックを7つにまとめます。

配慮1:視覚支援(絵カード・写真・スケジュール可視化)

言葉での指示が届きにくいお子さんには、視覚的な情報が効果的です。

  • 一日のスケジュールを絵カードで掲示する
  • トイレ・着替え・給食の手順を写真で見せる
  • 「おしまい」を伝えるタイマーやカードを使う

保育士Aさんのクラスでは、ホワイトボードに「1.お集まり → 2.お散歩 → 3.給食 → 4.お昼寝」と絵と文字を貼っています。活動の合間に「今ここよ」と指差しするだけで、見通しが持ちやすくなる子がいます。

配慮2:環境調整(刺激の少ないスペースを確保する)

視覚・聴覚の刺激が多い環境が苦手なお子さんには、落ち着ける場所を用意します。

  • 部屋の隅にクッションや小さなテントを置く
  • 集団の輪から少し離れた椅子を用意する
  • お昼寝の時間に耳栓やイヤーマフを使えるようにする

「みんなと同じ場所にいなきゃダメ」ではなく、「しんどくなったら逃げられる場所がある」だけで、お子さんの安心感はまったく違います。

配慮3:明確な指示(抽象的な声かけを具体的に)

「ちゃんとして」「ちょっと待って」「お片付けして」は、抽象度が高すぎて伝わりにくいことがあります。

  • 「ちゃんとして」→「椅子に座って、足を床につけてね」
  • 「ちょっと待って」→「長い針が12になるまで待ってね」
  • 「お片付けして」→「赤いブロックを青い箱に入れてね」
👩
保育士Aさん
「これ、正直すごく効果ありました。抽象的な声かけを具体的にするだけで、伝わり方が全然違うんです。他の子にも分かりやすいから、クラス全体の落ち着きが変わりました」

配慮4:予告と予定変更の伝え方

予定の急な変更が苦手なお子さんには、事前予告を丁寧に。

  • 活動の切り替え5分前に「あと5分で絵本の時間よ」と伝える
  • 行事や特別な日は、数日前から絵カードで予告しておく
  • やむを得ず変更がある場合は、「お散歩の予定だったけど、雨だから今日はお部屋で遊ぶよ」と理由もセットで伝える

「なぜ変わったのか」が分かるだけで、受け止めやすくなります。

配慮5:感覚過敏への配慮(音・光・匂い・食感)

感覚の受け取り方には個人差があります。

  • 聴覚過敏:ピアノの音・ハンドベル・運動会の音響がつらい子には、耳栓やイヤーマフを。
  • 視覚過敏:蛍光灯の光や窓からの強い日差しがつらい子には、席の位置を配慮。
  • 嗅覚過敏:給食の匂いがつらい子には、苦手なメニューの日は別室対応も検討。
  • 触覚過敏:特定の食感や衣服の素材が苦手な子には、無理に食べさせない・着させない。
  • 味覚過敏:偏食が強い子を「わがまま」と捉えない。

👩‍🏫 ベテラン先生
「感覚の話って、本人にしか分からないんですよね。『うるさいって言うほどの音じゃないでしょ』と大人は思っても、その子にとっては耐えられない音だったりする。本人の感じ方を否定しないのが大原則です」

配慮6:やり直し・クールダウンの時間を認める

気持ちが崩れたとき、切り替える時間を保障します。

  • 泣き叫んでしまったとき、すぐに集団に戻そうとしない
  • 静かな場所で水を飲んだり、好きなものを触ったりする時間を作る
  • 「3回深呼吸してみよう」など、自分で落ち着く方法を一緒に練習する

「早く普通に戻って」ではなく、「落ち着いてからでいいよ」の姿勢が、長期的にはお子さんの自己調整力を育てます。

配慮7:本人の「できた」を具体的に言葉にする

「すごいね」「えらいね」だけではなく、何がどう良かったかを具体的に伝えます。

  • 「自分で上靴履けたね」
  • 「イヤだったのに最後まで座っていられたね」
  • 「お友達に『貸して』って言えたね」

具体的に言葉にされることで、自分の成長を実感しやすくなります。特に発達特性のあるお子さんは、自己肯定感が育ちにくい傾向があるので、小さな"できた"を丁寧に拾うことが大切です。


保護者との連携

現場の配慮と同じくらい大切なのが、保護者との信頼関係です。

園で気づいたことの伝え方

👩
保育士Aさん
「先生、保護者に気になることを伝えるとき、どう言えばいいんですか?『発達障害かもしれません』って言うわけにはいかないし……」
👩‍🏫
ベテラン先生
「そう、それは絶対にいけません。診断は医師の領域ですから、保育士が診断的な言葉を使うのは越権行為になります」

👩‍🏫 ベテラン先生
「伝え方のコツは、事実を具体的に、評価せずに伝えること。たとえば『お集まりの時間に離席が多いです』『お昼寝のときに特定の音を嫌がります』みたいに、見えた行動だけを伝える。『集中力がない』『協調性が低い』みたいな評価はしない」

伝え方の例:

  • NG:「発達に問題があるかもしれません」
  • OK:「集団の声かけが入りにくい場面が多いので、個別に声をかけるようにしています」
  • NG:「お友達とトラブルが多いです」
  • OK:「おもちゃの貸し借りの場面で、言葉より先に手が出てしまうことがあります。言葉で伝える練習を一緒にしています」

「家庭ではどうですか」のフラットな聞き方

保護者に家庭での様子を聞くときも、評価せずフラットに

👩
保育士Aさん
「『家ではどうですか?』って聞くと、『何かあったんですか?』って身構えられることも……」

👩‍🏫 ベテラン先生
「そう、だから聞き方が大事です。『お家でのお気に入りの遊びってありますか?』『休日はどんな風に過ごされてますか?』みたいに、評価っぽくない、日常の話題から入るのがおすすめですね」

👩‍🏫
ベテラン先生
「そこから『園ではこんな姿があって、お家でも似たことありますか?』って、自然につなげていく。保護者を追い詰めない聞き方を意識するんです」

発達相談・療育につなぐタイミング

自治体の発達相談や療育への受診を勧めるタイミングは、慎重に。

  • 園側の観察を十分に重ねてから(1回の姿だけで勧めない)
  • 具体的な困りごとがある場合に限定する(「何となく気になる」で勧めない)
  • 保護者が"困っている"と言語化したときが最適なタイミング

「こちらで〇〇のような姿があって、お母さんもお家で似たような困りごとがあるようでしたら、市の発達相談を一度利用してみるのも選択肢です」くらいのニュアンスで。

保護者が受け入れていない場合

一番難しいのがここです。

👩
保育士Cさん
「保護者の方が『うちの子は普通です』って言い切るケースもありますよね」

👩‍🏫 ベテラン先生
「あるあるです。そういうときは、無理に診断や療育を勧めない。保護者には保護者のペースがあるし、受け入れに時間がかかるのは当然です。園側でできる配慮を粛々と続けながら、信頼関係を育てていくしかないんです」

👩‍🏫 ベテラン先生
「大事なのは、『保護者が受け入れるかどうか』と『園が配慮をするかどうか』は別の話ということ。診断がなくても、受け入れがなくても、園は配慮を続ける。それが合理的配慮の義務化の本質なんです」


加配制度と療育との連携

加配保育士の役割

加配保育士とは、発達特性のあるお子さんや障害のあるお子さんの保育を個別にサポートするために、通常の配置基準に追加して配置される保育士のこと。

  • 担任と連携しながら、対象児に寄り添う
  • クラス全体の活動と、対象児の個別配慮の橋渡し
  • 保護者面談や療育機関との連携の窓口になることも

自治体ごとに加配の基準や補助金が異なるため、園長・主任と自治体窓口の動きが鍵になります。

児童発達支援・放課後等デイとの連携

療育機関に通っているお子さんの場合、園と療育施設の情報共有が大切です。

  • 保護者の同意を得た上で、療育施設の支援計画を共有してもらう
  • 園での配慮内容を療育施設にも伝える
  • 個別支援会議に担任が参加する(園の方針次第)

連携がうまくいくと、家庭・園・療育の三者で同じ方向を向いた支援ができます。

自治体の巡回相談

多くの自治体では、巡回相談員(保健師・心理士・臨床発達心理士など)が保育園を定期訪問する制度があります。

  • 園側から特定の子について相談できる
  • 対応の助言をもらえる
  • 保護者への伝え方のアドバイスももらえる

まだ活用していない園は、園長に一度確認してみてください。無料で使える専門家のサポートは、現場の大きな味方です。


クラス全体の文化づくり

他の子どもたちへの接し方

発達特性のあるお子さんがクラスにいるとき、他のお子さんにどう伝えるかも大事な課題です。

👩
保育士Aさん
「『なんで〇〇くんだけ別のお部屋に行くの?』って聞かれたとき、どう答えたらいいんでしょう」

👩‍🏫 ベテラン先生
「『みんな、それぞれしんどくなることがあるよね?〇〇くんは、お部屋の音がしんどくなるから、静かな場所で少し休んでるんだよ。〇〇ちゃんも、疲れたら休んでいいからね』みたいに、\"違い\"を\"特別\"にせず、自然に伝えるのがいいと思います」

👩‍🏫
ベテラン先生
「\"みんな違ってみんないい\"という言葉、使い古されていますが、本質的には正しい。子どもはもともとフラットな感覚を持っていますから、大人が変な偏見を植え付けなければ、自然に受け入れていくものですよ」

「違うことは当たり前」をクラスの空気に

  • 「〇〇くんは耳栓を使うんよ。音がつらいときに助けてくれる道具なんだ」
  • 「△△ちゃんは絵カードを使うんよ。見て分かると安心するんだよ」

配慮グッズや個別の工夫を、隠すのではなくオープンにする。「それはズルい」ではなく「自分も使っていいんだ」と他の子も感じられる空気を作ります。

いじめ・排除の芽を早く摘む

小さな「なんで〇〇くんだけ」「ちゃんとしてよ」の声を見逃さない。排除の芽は早いうちに丁寧に拾い、一人ひとりの違いを尊重する価値観を育てていきます。


保育士自身のメンタルケア

対応がうまくいかない日もある

正直に言います。発達特性のあるお子さんへの対応は、つらい日もあります

  • 何度声をかけても届かない
  • 叩いたり噛みついたりされる
  • 他の子との兼ね合いに悩む

保育士Aさんも、泣きながら職員室に戻ってきた日があります。

👩
保育士Aさん
「私、自分を責めちゃうんです。『もっと上手な人がやればうまくいくのに』って。でも、そう思うとどんどんしんどくなって……」

自分を責めすぎない

👩‍🏫 ベテラン先生
「Aさん、それは\"できる人\"の発想です。うまくいかない日があるのは、保育士として当たり前。ベテランの私でも、毎日全部うまくいくなんて絶対ない

👩‍🏫 ベテラン先生
「大事なのは、その日のうちに誰かに話すこと。一人で抱え込まずに、主任や同僚、私にでも言ってほしい。しんどさを言葉にするだけで、次の日またやれるものですよ

療育の勉強を焦らない

👩
保育士Cさん
「私、療育の勉強始めたんですけど、覚えること多すぎてしんどくなってきました」

👩‍🏫 ベテラン先生
「Cさん、一気に全部覚えようとしなくていいですよ。目の前の子一人への理解を深めることが、一番の勉強なんです。本を読むのも大事だけど、その子を観察して、仮説を立てて、試して、振り返る。これを繰り返す方が、結果的に早く力になりますよ」


学びの入口

最後に、これから学びたい保育士さん向けに入口をまとめます。

自治体の研修

多くの自治体が、保育士向けの発達支援研修を無料・低額で開催しています。

  • 市区町村の保育課・子ども家庭課の情報をチェック
  • 園長に伝えると、業務として参加できるケースも多い

書籍・オンライン学習

  • 発達特性や療育の入門書
  • 児童発達支援関連のオンライン講座
  • YouTubeの専門家チャンネル

保育士Cさんのように、自分のペースで無理なく始めるのがおすすめです。

療育施設の見学

児童発達支援事業所や放課後等デイサービスを見学させてもらうのも、大きな学びになります。保護者の同意を得て、担当児の通う療育施設に足を運ばせてもらうと、園での配慮が一段深くなります。


発達支援・療育連携のある園で働きたい保育士さんへ

最後にもう一つ。

この記事を読んで「もっと発達支援を深めたい」「療育と連携している園で働きたい」と感じた方へ。

求人票では分かりにくいですが、園ごとに発達支援への力の入れ方は大きく違います

  • 加配保育士の配置がある園
  • 療育機関と日常的に連携している園
  • 発達支援の園内研修が充実している園
  • 巡回相談を積極的に活用している園

こうした条件で園を探したいときは、レバウェル保育士

のような、専門アドバイザーが園の内情まで踏み込んで教えてくれる転職サイトを使うと効率的です。

「加配ありますか」「療育との連携状況はどうですか」といった具体的な希望を伝えると、園の実情に合った提案をしてもらえます。


まとめ:配慮は「特別なこと」ではなく、保育の延長

発達に特性のあるお子さんへの対応は、特別な技術ではありません。

一人ひとりに合わせる保育の延長です。

  • 視覚的に分かりやすくする
  • 静かに過ごせる場所を用意する
  • 指示を具体的にする
  • 予告を丁寧にする
  • 感覚の違いを否定しない
  • 落ち着く時間を保障する
  • 小さな「できた」を言葉にする

どれも、すべての子どもにとって優しい保育になります。

2024年4月の法改正で、合理的配慮は義務になりました。でもそれは「しなければならないから」ではなく、「一人ひとりが安心して過ごせる園にする」という、保育士として当たり前の姿勢の制度化です。

診断がある子も、ない子も、「特性があるかもしれない」子も、みんなフラットに、その子らしくいられる場所を一緒に作っていきましょう。

👩
保育士Aさん
「先生、私、あの転園してきた男の子のお母さんに、もう一度会う勇気が出ました。『この園では、その子のペースに合わせますよ』って、ちゃんと伝えてきます」

👩‍🏫 ベテラン先生
「いいじゃないですか、Aさん。それでいいんですよ。保育士の言葉ひとつで、親の不安は本当に軽くなるんです。いってらっしゃい」

読んでくださってありがとうございました。


発達特性のあるお子さんへの対応についてよくある質問

合理的配慮は2024年に何が変わった?

2024年4月の法改正で民間保育園でも合理的配慮が努力義務から法的義務へ変わりました。

障害者差別解消法の改正により、社会福祉法人・株式会社・企業主導型保育まで全ての保育園が対象となりました。直接の罰則はないものの、改善勧告や事業者名公表、訴訟リスクが発生します。

未診断の子に合理的配慮はしていい?

診断の有無を問わず「特性があるかもしれない」視点で配慮するのが現場対応の正解です。

幼児期は確定診断が就学前後までつかないことが多く、保育園で出会う子の多くは未診断です。診断の有無ではなく、その子が過ごしやすい環境を整える姿勢が出発点になります。

合理的配慮って具体的に何をすればいい?

絵カード提示・静かなスペース確保・個別の名前呼びかけなど日常の小さな工夫が中心です。

音に敏感な子のための静かな場所、見通しが持ちにくい子への絵カードでのスケジュール提示、集団指示が届きにくい子への個別声かけなど、大きな設備投資は不要です。普段の保育の延長線上にあります。

保護者が診断を嫌がる時はどう接する?

診断を勧めずに園での配慮の様子を具体的に伝え、信頼関係を築いていくのが先決です。

「診断を受けてください」は保護者を追い詰めます。まずは園で実施している配慮内容と、その子のポジティブな姿を共有し、保護者が安心して相談できる関係を作ることが優先です。

違反したら罰則はある?

直接的な罰金はないものの、改善勧告・事業者名の公表・保護者からの訴訟リスクが発生し得ます。

障害者差別解消法には直接の罰金規定はありませんが、行政から報告を求められたり改善勧告を受ける可能性があります。悪質な場合は事業者名が公表され、保護者から訴訟を起こされるリスクも生じます。


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