保育園の年間行事計画案の書き方2026|ねらい・季節感・保護者満足度を両立する型
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「去年の行事計画案、ファイルから引っ張り出してコピーしてもいいかな……」
主任から「来年度の年間行事計画案、任せるね」と言われたあの日。私は家に帰ってパソコンを開いて、去年のファイルを見て、3分だけ固まったことがある。
コピーして日付だけ変えたら、たぶん通る。誰も気づかない。でも、それでいいんだろうか。
去年と今年では、子どもの顔触れが違う。0歳児クラスから上がってきた子、転園してきた子、家庭環境が変わった子。同じ「七夕会」でも、去年の3歳児クラスと今年の3歳児クラスは別の集団なんだ。
コピペで済ませた行事計画案は、ほぼ100%「ねらい」がふわっとしている。「楽しむ」「親しむ」「味わう」。それっぽい動詞で埋めただけのもの。これが、見る人が見たら一発でバレる。
この記事では、年間行事計画案を「コピペ脱却」して書くための型を、構成要素・ねらいの書き方3原則・月別カレンダー・実務テンプレまで全部公開する。保育所保育指針の5領域にも、ちゃんと紐づける。
初めて行事リーダーを任された人も、主任候補で計画の質を一段上げたい人も、読み終わる頃には「型」が頭に入っているはず。
年間行事計画案に「ちゃんとした型」がある理由
最初に言っておく。
年間行事計画案は、園の中だけで回る書類ではない。市区町村の監査、第三者評価、保護者への説明、そして何より、職員間の共通認識を作るための設計図だ。
ここがブレていると、当日「このねらい、何だったっけ?」となる。準備物の抜け漏れが出る。保護者から「何のためにこの行事をやってるんですか?」と聞かれて答えられない。
これ、Aさんだけじゃない。私も2年目の頃、同じことで凹んだ。
行事計画案は「行事の当日をどうするか」ではなくて、「どの育ちを狙って、何月頃、どう準備して、誰と分担して、保護者にどう伝えるか」。この全体を設計する書類なんだ。
年間行事計画案の7つの構成要素
まず「型」を押さえる。どの園でもだいたい共通で、この7要素が揃っていれば監査でも止まらない。
構成要素1:行事名
ただの名前だけど、実はここも考えどころ。「七夕会」なのか「七夕まつり」なのか「七夕の集い」なのか。園の伝統で決まっているなら踏襲するけど、新設する行事なら「子ども主体の呼び方」にしたい。
大人が作ったイベント感が強い名前(例:保護者参観日)より、子どもが主語になる名前(例:おうちの人といっしょに遊ぶ日)の方が、ねらいもブレにくい。
構成要素2:実施時期
「○月第○週」まで書く。具体的な日付は園のカレンダー会議で後から決まる。ここで大事なのは、前後の行事との間隔だ。
運動会が10月第1週、遠足が10月第3週、ハロウィンが10月末。こんな月にしたら、子どもも職員もパンクする。計画段階で「この月、行事が詰まりすぎだな」と気づいて調整するのが、計画案の役割。
構成要素3:ねらい(最重要)
ここが計画案の心臓部。後でまるごと1章使って書くから、ここでは「行事計画案における最も時間をかけるべき項目」とだけ覚えておいてほしい。
構成要素4:対象年齢
0・1・2歳児クラス/3・4・5歳児クラス/全クラス合同、など。行事によって対象は変わる。
例えば生活発表会は全クラスでやるけど、0歳児クラスの「発表」と5歳児クラスの「発表」は中身がまったく違う。計画案には年齢ごとのねらいを別立てで書く。
構成要素5:準備物・予算
ここをサボると当日詰む。
- 園で揃うもの(既存の備品)
- 新規購入が必要なもの(予算申請)
- 保護者に協力を依頼するもの(事前アナウンス)
この3区分で整理する。予算は年度初めに確定させて、月ごとに使う額を配分しておく。
構成要素6:当日の流れ(タイムテーブル)
「10:00〜10:15 入場」みたいな時間割。でもこれ、当日ギリギリに書くのではなくて、計画案の段階で仮組みしておく。仮組みがないと、当日のリハーサルで「時間足りない!」となる。
構成要素7:保護者への伝え方
後で詳しくやるけど、「行事のお知らせ」と「行事後の報告」の2段階で設計する。お知らせには「ねらい」を1行入れる。報告には「子どもの姿」を入れる。これで保護者満足度がグッと上がる。
「ねらい」はどう書く?3原則が計画案の9割
ここからが本題。
行事計画案の質は、「ねらい」をどう書けるかで9割決まると言っても大げさではない。裏を返すと、ねらいさえしっかり書ければ、他の項目は多少粗くても計画案は生きる。
私が先輩から教わって、今も後輩に伝えているねらいの書き方3原則を紹介する。
原則1:動詞を具体化する
ダメな例と良い例を並べる。
ダメな例:
リズム遊びを楽しむ
良い例:
音楽のリズムに合わせて身体を動かす心地よさを味わい、友達と一緒に表現することを喜ぶ
違いは「動詞の具体度」だ。
「楽しむ」「親しむ」「味わう」。これらは便利な動詞だけど、便利すぎて中身が見えない。「何を」「どうやって」を足すと、ねらいに厚みが出る。
書くときのコツは、「楽しむ」で止めずに"その先"を書くこと。楽しんだ結果、何を感じてほしいのか。何に気づいてほしいのか。
原則2:年齢・発達段階に合わせる
同じ「クリスマス会」でも、0歳児と5歳児では育ちの段階が違う。
0歳児のねらい(例):
歌やベルの音に耳を傾け、保育者と一緒に雰囲気を感じる
5歳児のねらい(例):
役割を分担して友達と協力しながら出し物を作り上げ、達成感を味わう
0歳児に「協力」「達成感」を求めても無理だし、5歳児に「雰囲気を感じる」だけでは物足りない。その年齢で今、育ちつつある力をねらいにする。
迷ったときは、保育所保育指針の年齢別の「発達過程」を読み直す。ここに答えが書いてある。
原則3:保育指針の5領域に紐づける
現行の保育所保育指針(2018年4月施行)では、5領域(健康・人間関係・環境・言葉・表現)が柱だ。ねらいを書くときは、この5領域のどれ(または複数)に該当するかを意識する。
| 領域 | 育ちの軸 | 行事例 |
|---|---|---|
| 健康 | 心身の健康・安全 | 運動会・プール開き・避難訓練 |
| 人間関係 | 人と関わる力 | お店屋さんごっこ・異年齢交流 |
| 環境 | 身近な環境への関わり | 遠足・自然遊び・季節の行事 |
| 言葉 | 言葉の感覚 | お話会・発表会 |
| 表現 | 感性と表現 | クリスマス会・生活発表会 |
例えば運動会なら「健康」がメインだけど、チームで競技をするなら「人間関係」も入る。ねらいを書くときに「これは健康と人間関係の両方に跨るな」と意識できれば、ねらいの文章に厚みが出る。
月別行事カレンダー(2026年度版)
ここからは実務編。4月〜3月の主要行事と、それぞれの「ねらいの方向性」をまとめる。
コピペして使うのではなくて、自園の子どもたちの顔を思い浮かべながら、ねらいだけは書き直す。これが大原則。
4月:入園式・進級式
ねらいの方向性:新しい環境への安心感/新しい自分への期待
新入園児は泣いている子も多い。進級児は「お兄さんお姉さんになった」気持ちが高まっている。この両方を受け止めるのが4月の行事だ。
ねらい例(5歳児):
年長児になった喜びを感じ、新入園児を温かく迎える気持ちを持つ
5月:こどもの日・春の遠足
ねらいの方向性:季節の行事への親しみ/戸外で身体を動かす心地よさ
こどもの日は「こいのぼり制作」を絡めやすい。遠足は気候が最高なので、目的地より「歩く・見る・感じる」を重視。
6月:歯科検診・梅雨の自然遊び
ねらいの方向性:自分の身体への関心/雨の自然を楽しむ
雨の日を「外で遊べない残念な日」ではなくて、「雨の日だからこそ気づけること」に変える。カタツムリ・水たまり・傘の音。ここが保育士の腕の見せどころ。
7月:七夕・夏祭り・プール開き
ねらいの方向性:伝統行事への興味/水と触れ合う楽しさ
行事が多い月。計画段階で職員の休憩時間と準備時間をどう確保するかも計画案に盛り込む。現場が疲弊する月だから、ねらいを絞って「今年の七夕はここに集中する」と決めたい。
8月:お盆・縁日ごっこ
ねらいの方向性:日本の夏の文化への親しみ/異年齢交流
お盆休みで子どもの数が減るタイミング。縁日ごっこは少人数でもできる規模にする。予備日を組む前提で計画する。
9月:敬老の日・運動会準備
ねらいの方向性:家族や地域の人への感謝/身体を使い切る達成感
敬老の日は「おじいちゃんおばあちゃんに何かを贈る」文脈が強いけど、家庭環境への配慮を忘れない。祖父母がいない子もいる。「大切な人」という広い括りで設定する。
10月:運動会・ハロウィン
ねらいの方向性:仲間と協力する喜び/非日常への期待
運動会は年間最大のイベント。9月から段階的に練習を組むことを計画案に書いておく。当日だけを切り取らない。
11月:お店屋さんごっこ・秋の遠足
ねらいの方向性:役割を持って人と関わる/季節の変化を感じる
お店屋さんごっこは「人間関係」領域がガッツリ入る。誰が何役をやるか、5歳児クラスなら子ども同士で決めさせる。保育士が決めないところが肝。
12月:クリスマス会・生活発表会
ねらいの方向性:表現することの喜び/一年の成長の確認
発表会は保護者の期待値も高い月。でも「保護者に見せるため」が先行すると、ねらいがブレる。子どもが主語になるねらいを死守する。
1月:お正月遊び・餅つき
ねらいの方向性:伝統的な遊びへの親しみ/家族の風習への関心
コマ・カルタ・たこあげ・福笑い。家でやらない遊びを園でやるという視点を入れると、家庭との連携が生まれる。
2月:節分・生活発表会(園による)
ねらいの方向性:感情と向き合う/表現の集大成
節分は「怖がらせる鬼」の演出問題がある。年々、過度に怖がらせない演出が主流になってきている。ねらいに「心の中の鬼(弱い気持ち)に気づく」と書くと、演出の方向性が定まる。
3月:ひな祭り・卒園式・お別れ会
ねらいの方向性:一年の締めくくり/次のステージへの期待
卒園式は「泣かせる式」ではなくて「送り出す式」。ねらいに「次のステージを楽しみにする気持ち」を入れると、当日の進行も変わる。
前年度コピーはなぜダメ?毎年書き直すべき観点
冒頭の私の話に戻る。
去年のファイルをコピーして日付だけ変える。これ、やめておいた方がいい理由が3つある。
理由1:子どもの顔触れが違う
同じ3歳児クラスでも、今年のメンバー構成・発達の個人差・クラスの雰囲気は去年と別物。ねらいは子どもの育ちに合わせて書くのが原則だから、ここをコピーしたら原則違反なんだ。
理由2:保育指針・社会情勢が動く
自治体のガイドラインや園独自のマニュアルは、毎年のように細部が更新されている。コロナ禍以降、感染症対策の記載も年々変わってきた。去年のまま=最新ではないと思った方がいい。
理由3:自分の振り返りが反映されない
去年この行事をやって、何が良くて何が反省点だったか。それを今年の計画案に反映させてこそ、プロの仕事だ。
コピーしたら振り返りがゼロ。同じ失敗をもう一回やる可能性が高い。
ただし、全部書き直す必要もない
誤解しないでほしいのは、全部をゼロから書き直す必要はないということ。
- 行事名・対象年齢・大枠のタイムテーブル → 踏襲OK
- 準備物リスト → 踏襲+更新
- ねらい → ここだけは毎年書き直す
- 保護者への伝え方 → ねらいに合わせて調整
ねらいだけ本気で書き直せば、計画案全体の質は保てる。
保護者満足度を上げる書き方
行事計画案の中で、保護者が一番関心を持つのは「ねらい」だ。意外に思うかもしれないけれど、調査でも同じ傾向が出ている。
保護者は「何時に何をするか」より、「この行事でうちの子に何が育つのか」を知りたい。
クラスだより・お便りに「ねらい1行」を入れる技術
行事のお知らせを書くとき、多くの園が「日時・持ち物・服装」だけを書く。でも、ここにねらいを1行だけ入れると保護者の受け取り方が変わる。
ビフォー:
6月20日(金)10:00〜 歯科検診を行います。上履きをご持参ください。
アフター:
6月20日(金)10:00〜 歯科検診を行います。上履きをご持参ください。
ねらい:自分の身体に関心を持ち、医師とのやりとりを通して少し緊張する体験を楽しむ。
この1行があるだけで、保護者の見え方が「面倒な通知」から「子育てのパートナーからのメッセージ」に変わる。
連絡帳・行事後の報告に「子どもの姿」を書く
行事が終わった後、連絡帳やクラスだよりで報告するときも同じ。「楽しかったです」で終わらせない。
ビフォー:
七夕会を行いました。子どもたちはとても楽しそうでした。
アフター:
七夕会を行いました。○○ちゃんは、最初は短冊に何を書くか迷っていましたが、お友達の「○○が好き」という声を聞いて、「私もこれ書く!」と自分の言葉を見つけていました。
具体的な姿を書く。これが保護者満足度の核だ。計画案の段階で「どんな姿が見られたら、この行事は成功か」を書いておくと、報告のときにも使える。
男性保育士視点の行事設計
ここはBさんに話してもらう。
🧑 保育士Bさん
「男性保育士として行事計画案に関わるとき、2つ意識してます。
1つ目は、力仕事の分担を明文化しておくこと。テント設営・机の移動・プール準備。これを『男性がやる』ってなし崩しにすると、女性の先輩が遠慮して手伝えなくなる。計画案に『設営担当:○名(男女問わず)』と書いておくと、役割が可視化されます。
2つ目は、パパ参加型の行事を意識的に入れること。うちの園では、秋に『おうちの人といっしょに遊ぶ日』をやってます。これ、従来の『保護者参観』だと母親率が9割だったのが、名前を変えて内容を『身体を使う遊び』中心にしたら、父親参加率が4割まで上がりました。
行事計画案は、保育士の男女バランス、保護者の男女バランス、両方を意識して書くと、園の空気が変わります」
Bさんの視点、計画案に盛り込むと強い。私も真似している。
行事計画案テンプレ(コピペで使える書式例)
ここまでの内容を踏まえて、実務で使えるテンプレを置いておきます。Wordやスプレッドシートに貼って使えるよう整えてあります。
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【行事計画案】○○会
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■ 行事名:
■ 実施時期:○月 第○週(予備日:○月 第○週)
■ 対象:○歳児クラス/全クラス
■ ねらい(年齢別):
▼ 0・1歳児:
▼ 2歳児:
▼ 3歳児:
▼ 4歳児:
▼ 5歳児:
■ 保育指針との関連(5領域):
□ 健康 □ 人間関係 □ 環境 □ 言葉 □ 表現
※該当するものにチェック、複数可
■ 準備物:
【園で揃うもの】
【新規購入(予算:○円)】
【保護者へ依頼】
■ 当日の流れ:
00:00〜 準備・受付
00:00〜 ○○
00:00〜 ○○
00:00〜 片付け・振り返り
■ 職員役割分担:
統括:
進行:
設営・撤収:
記録(写真・動画):
けが・体調対応:
■ 保護者への伝え方:
【事前お知らせ】発行日:○月○日
└ ねらい1行:
【当日の持ち物・服装】
【事後報告】発行日:○月○日
└ 入れる視点:子どもの具体的な姿
■ 事前準備スケジュール(逆算):
3週間前:
2週間前:
1週間前:
前日:
当日朝:
■ 振り返り欄(行事後に記入):
良かった点:
改善点:
来年度への申し送り:
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このテンプレのポイントは、「振り返り欄」まで計画段階で枠を作っておくこと。後で書き足す前提でフォーマット化しておくと、年度末に「今年の振り返りどこだっけ」とならない。
よくある失敗5選
最後に、行事計画案でやりがちな失敗を5つ挙げておく。
失敗1:ねらいが「楽しむ」だけ
これ、最頻出。「楽しむ」は便利だけど、楽しむの先を書かないと評価されない。「楽しんだ結果、何が育つか」まで書く。
失敗2:準備物の洗い出しが甘い
当日の朝「○○がない!」となる原因。計画段階で「既存・新規・保護者依頼」の3区分で整理する。
失敗3:保護者配慮漏れ
敬老の日で祖父母がいない子への配慮、運動会で片親家庭への配慮、クリスマス会で宗教的配慮。これを計画段階で明文化しておく。「配慮します」ではなくて「○○の場合は○○する」まで書く。
失敗4:予備日を組んでいない
屋外行事で予備日なしは事故のもと。計画案に第一候補日と予備日の両方を書く。予備日の天気も最悪想定で考える。
失敗5:振り返りを書かない
行事が終わったら燃え尽きて、振り返りを書かないまま次の行事に行く。計画案の最後に振り返り欄を作っておくのが防止策だ。
まとめ:行事は日常保育の延長
長くなったから、最後に要点だけまとめる。
- 行事計画案の7つの構成要素を押さえる(行事名・時期・ねらい・対象・準備物・流れ・保護者への伝え方)
- ねらいの3原則:動詞を具体化/年齢に合わせる/5領域に紐づける
- 前年度コピーは禁止、特にねらいだけは毎年書き直す
- 保護者向けお知らせに「ねらい1行」を入れる
- 報告には「子どもの具体的な姿」を書く
- テンプレに振り返り欄まで先に作っておく
で、最後にもう一つだけ。大事なことだから書いておく。
行事は、日常保育の延長だ。
特別な日ではない。毎日の遊び・関わり・育ちの中で積み重なってきたものが、その日にギュッと現れる。それが行事だ。
だから計画案を書くときも、「この行事のために何かを仕込む」ではなくて、「日常の育ちを、この日でどう開花させるか」という視点で書くと、ねらいも自然と書けるようになる。
コピーしていたら出てこない視点。これが「型を知った上で、型を超える」ということなんだろうな。
行事企画の裁量がある園に移りたい人へ
ここまで読んで「うちの園、そもそも行事計画案を真面目に作っている人がいない……」「主任が前年度コピー主義で、新しい提案が通らない」という人もいるはず。
行事企画力が評価される園は、求人票にサインが出る。「職員の自主性を尊重」「行事は子ども主体で見直し中」「企画提案歓迎」。こういう言葉がある園は、計画案を本気で書く文化がある可能性が高い。
逆に、「伝統を大切にしています」と書いてあるだけの園は、前年度コピーが続いている可能性もある。園見学で「今年、新しく入れた行事はありますか?」と聞いてみると、カルチャーが分かる。
行事準備が無茶振りな園から、計画が共有される園へ転職を検討するなら、求人の幅が広いレバウェル保育士に一度相談してみるのもあり。求人票の「行事企画」まわりの言葉選びから、園のカルチャーを読み取ってくれる。

計画案をちゃんと書ける保育士は、どこの園でも強い。あなたの書く力を、ちゃんと評価してくれる園で発揮してほしい。
年間行事計画案の書き方についてよくある質問
去年の行事計画をコピペしてもいい?
コピペすると「ねらい」が形骸化するため、見る人が見たら一発でバレてしまうので危険です。
去年と今年では子どもの顔触れが違うため、同じ「七夕会」でも別の集団のための計画になります。コピペした計画案は「楽しむ」「親しむ」など便利な動詞で埋まり、主任や監査で必ず指摘されます。
年間行事計画案の構成要素は何個?
行事名・実施時期・ねらい・対象年齢・準備物・当日の流れ・伝え方、の合計7要素です。
監査でも止まらない7要素は、行事名、実施時期(前後の行事との間隔配慮)、ねらい(最重要)、対象年齢、準備物・予算、当日のタイムテーブル、保護者への伝え方の構成。これがあれば計画案として機能します。
「ねらい」はどう書けばいい?
「楽しむ」で止めずに動詞を具体化し、年齢ごとに別立てで書くのが3原則になります。
ねらいの3原則は、動詞の具体化(「楽しむ」の先を書く)、年齢・発達段階に合わせる(0歳児と5歳児で分ける)、保育所保育指針の5領域に紐づける、です。ねらいで計画案の質の9割が決まります。
保育指針の5領域とどう紐づける?
健康・人間関係・環境・言葉・表現の5領域に、行事のねらいを対応させて明記します。
保育所保育指針の5領域(健康・人間関係・環境・言葉・表現)に対し、行事ごとに「主に育つ領域」を1〜2つ明記します。これで監査・第三者評価・保護者説明のすべてで一貫した説明ができます。
保護者へはどう伝える?
「行事のお知らせ」と「行事後の報告」の2段階で設計するのが満足度を上げる鉄則の型です。
事前のお知らせには「ねらい」を1行入れて目的を共有、事後の報告には具体的な「子どもの姿」を入れることで保護者満足度が上がります。「何のために」「何が育ったか」のセットが信頼を作ります。