保育士が転職を考えるきっかけ上位5つ——あなたの職場は普通?それとも異常?

保育士が転職を考えるきっかけ上位5つ——あなたの職場は普通?それとも異常?

自分の職場がおかしいのか、普通なのか——それが分からないまま我慢し続けている人に向けて書いています。

「これって、どこの保育園でも同じなのかな」

そう思いながら今日も出勤している人、いますよね。私もそうだった。関西で保育士をしていたころ、職場の人間関係がしんどくて、でも「保育士なんてこんなもんやろ」と思って、ずっと飲み込んでいた。

基準を持っていなかったんです。「ここが普通なのか、異常なのか」を測るものさしが、自分の中になかった。

だから今回は、データを使ってそのものさしを作ります。保育士106人を対象にしたアンケート調査(Biz Hits Work)と東京都の調査をもとに、転職を考えるきっかけの上位5つを整理する。

「どうせ自分には関係ない」と思いながら流し読みする人には届かないと思うので、そういう方はここで閉じてください。「なんか自分の職場、変かもしれない」と感じている人に向けて書きます。


きっかけ1位:人間関係の悩み(33.5%)

3人に1人以上、というのが正直な数字だ。

「人間関係が理由で転職を考えた」と答えた保育士は33.5%——つまり職員室にいる先生の3分の1は、同じことを考えながら働いている計算になる。

保育の現場の人間関係は複雑だ。園長・主任・同僚の先生・保護者、全部が同時進行する。どれかひとつがこじれれば、毎日の仕事全体が重くなる。

🐻 クマオ
「主任の先生に何を言っても否定される。でも他の園もこんな感じなのかと思うと、転職しても変わらない気がして……」

その「どこも同じかも」という感覚、すごく分かる。でもそれは、多くの場合、思い込みです。

人間関係の質は、職場によって本当に大きく変わる。私も東京に来てから「あ、こんな職場もあるんや」と驚いた経験があった。関西にいたときは「保育士の職場はこんなもん」と信じていたから。

「先輩が怖い」「同僚と価値観が合わない」「保護者対応で消耗する」——これらが毎日続いているなら、それは個人の問題じゃない。職場環境の問題だ。


きっかけ2位:給与への不満(29.2%/東京都調査では61.6%)

全体では29.2%だが、東京都だけで見ると61.6%が「給与が安い」を退職理由に挙げている。

ぶっちゃけ、関東で働く保育士にとって、給与の問題は切実すぎる。

保育士の平均給与は全産業平均と比べて約5万円低い水準が続いている(2025年・厚労省調査)。しかもこの数字には残業代が含まれているケースが多い。基本給だけで見ると、さらに低くなる。

🐻 クマオ
「手取り17万円で都内一人暮らし。毎月カツカツで、貯金なんて全然できない。こんなに子どもが好きでこの仕事を選んだのに」

月17万円。年収に換算して204万円。これが関東で保育士として一人暮らしをしている人の、珍しくない数字だ。

「好きな仕事だから」と我慢するのは美しい話ではない。持続可能じゃないから。

給与は交渉するものでも、我慢するものでもない——転職先を変えることで、変えられる条件の一つです。


きっかけ3位:労働時間への不満(28%)

持ち帰り仕事、日常的な残業、書類作業。これらが「当たり前」になっている職場に、28%が不満を感じている。

でも「保育士はこういうもの」という思い込みは、実態とズレている。

持ち帰り残業がゼロの職場も、ちゃんとある。書類作業を勤務時間内に終わらせる仕組みを作っている園も、ある。

🐻 クマオ
「昨日も持ち帰り仕事で23時まで作業してた。これ、法律的には普通なの……?」

普通じゃない。サービス残業は違法です。きっぱり言います。

慣れてしまうと、それが基準になる。「みんなそうだから」という空気で、おかしさが見えなくなる。東京都の調査では「仕事量が多い」を退職理由に挙げた保育士は54%にのぼる。半数以上が同じ状況の中にいる。


きっかけ4位:保育方針が合わない

これは給与や人間関係より、静かで根が深い問題だと思う。

「自分が理想とする保育ができない」という感覚——これは数字に出てこない。「なんかモヤモヤする」「子どもに申し訳ない気がする」という形で、じわじわ積み重なっていく。

🐻 クマオ
「ビルの8階で、園庭もない。子どもたちが外で思い切り走れる環境を作ってあげたい。でもここではそれができない」

保育の仕事を選んだ理由——子どもの成長に関わりたい、豊かな保育環境を作りたい——という原点から遠ざかっていると感じているなら、それはサインだ。

保育方針は、個人の力でどうにかできるものじゃない。園を変えることで、変えられる。


きっかけ5位:体力的な限界

保育士の仕事は頭だけじゃなく、体を使う。子どもを抱く、床に座る、外で動く、走り回る子を追いかける。

「疲れが取れない」「休日に動けない」という状態が続いているなら、体が限界に近いサインだ。意志の問題じゃない。環境と仕組みの問題です。

40代・50代になっても保育士として働き続けている人はいる。体のサインを「甘え」で片付けずに、仕組みとして解決できる職場を探すことが先になる。


「異常な環境に慣れた」だけかもしれない

保育士全体の離職率は9.3%だが、私立保育園では10.7%にのぼる(2024〜2025年データ)。公立保育園の5.9%と比べると約2倍だ。

🐻 クマオ
「離職率10.7%……ということは、クラスに1人くらいの先生が毎年やめてるってこと。それって普通じゃないよな」

そう。普通じゃない。

でも「この職場に長くいると、その感覚が分からなくなる」というのが一番怖いところだと思う。慣れてしまうと感覚がズレる。それは誰のせいでもない。

ただ——基準を知ると、判断できるようになる。

あなたが感じている疑問は、特別でも、弱さでもない。3人に1人が同じことを考えながら働いている。


転職を「考える」のと「動く」のは別の話だ

この記事を読んで「そうだったのか」と思ったとしても、すぐに転職する必要はない。

まず自分の職場が普通かどうかを知ること。次に他の職場の実態を知ること。そのあとで動くかどうかを判断すればいい。

私が東京に来る前に知っていた転職エージェント——あれは「情報収集ツール」として使えます。登録するだけなら無料で、担当者に現状を話すだけでも「自分の職場の位置づけ」がわかってくる。求人を紹介されても、断れる。すぐ転職しなくていい。

「転職するかどうか決まっていない」状態で登録して、話を聞いてもらうだけで、判断材料が増える。それだけで十分です。


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P.S.
「また同じ職場になるかもしれない」という不安は、転職を考える保育士のほぼ全員が持っている。その話については別の記事で正直に書いた。


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