結論:「保育士は貯金できない」のは精神論ではなく固定費構造の問題です。家賃・通信・サブスクの3つを手取りに対して整え直すと、月18〜22万でも月1〜2万は残せます。順序は固定費の棚卸しからで、副業や投資はその後です。(2026年5月時点)

「保育士の給料じゃ、貯金なんてどう頑張っても無理」

そう思って、家計簿を開くこと自体をやめてしまった人へ。

はじめに言ってしまうと、貯金が残らないのはあなたの努力や節約感覚の問題ではありません。給料が低いのは事実です。けれど、その事実と「手元にお金が残らない理由」はじつは別のレイヤーで起きています。先に家計の構造を見ないまま「もっと節約しなきゃ」と頑張ると、続かないし、自分を責める材料が増えるだけです。

この記事では、保育士の手取り18〜22万という現実的なレンジを前提に、何から手をつければ毎月1〜2万を貯金に回せるのか、順序を整理します。我慢の話ではなく、引き算の順番の話です。


保育士が貯金できないのは、給料の問題というよりも家計構造の問題

給料が低いのは確かに事実です。同年代の他業種と比べたときの差は、保育士の給料が安い構造的な理由でも書いた通り、産業構造に紐づいています。これは個人の頑張りで縮められる差ではありません。

ただし、「給料が低い」ことと「貯金が残らない」ことは、本当は別の問題です。

同じ手取り20万でも、毎月3万を貯金に回している保育士もいれば、月末に口座がほぼゼロになる保育士もいます。違いは性格や節約スキルではなく、固定費の組み立て方です。固定費とは、家賃・通信・サブスクのように毎月自動で出ていくお金のことで、変動費(食費・娯楽)とは違って一度設定すると無意識に毎月続きます。

節約を頑張ろうとすると、多くの人は変動費(コンビニで買うコーヒー、たまの外食)に手を入れます。けれどそこは小さくて、頑張った割に効きません。本当に効くのは、無意識に出ている固定費を1回だけ整え直すことです。1回やれば翌月から自動で効きます。


貯金できない3大固定費

家計を圧迫しやすい固定費は、保育士の場合とくに3つに集中します。

1. 家賃(手取りの30%を超えると残らない)

家計の世界では、家賃は手取りの25〜30%以内に収めるのが目安と言われます。手取り18万なら家賃4.5〜5.4万、手取り20万なら5〜6万、手取り22万なら5.5〜6.6万のレンジです。

都内や首都圏で一人暮らしをすると、ここを軽く超えてしまう人が多いです。手取り20万で家賃8万のワンルームに住むと、それだけで手取りの40%が家に消えます。固定費の中で家賃が一番大きいので、ここがズレたまま他をどう削っても残りません。

同じエリアでも、駅から徒歩15分にすると2〜3万下がることはよくあります。条件は人によって違うので一律ではありませんが、家賃は「家計の構造そのもの」を決める一番大きな数字です。

2. 通信(大手キャリアのまま放置で年5〜7万の損)

大手キャリアの料金プランをそのまま使い続けている場合、月8000〜10000円くらい払っていることが多いです。格安SIMや大手キャリアの格安プランに切り替えると、月2000〜3000円台までは現実的に下がります。

月の差は5000〜7000円ですが、年にすると6〜8万。これだけで貯金額が変わる規模です。

「手続きが面倒」「電波が悪くなりそう」と聞きますが、いまの格安系は大手の回線をそのまま借りているサービスがほとんどなので、エリアによる差はかなり小さくなっています。実際に動くのに必要な時間は、平日の夜の1時間か、休日の午前中だけです。

3. サブスク(合算すると月5000〜8000円が無意識に出ていく)

動画、音楽、雑誌読み放題、フィットネスアプリ、占いアプリ、収納サービス。1個ずつは数百円〜千数百円なので「これくらいなら」と契約しますが、合算すると月5000〜8000円になっている人が多いです。

しかも、そのうち半分は「最近開いていない」ものだったりします。

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保育士Aさん
「私、サブスク全部書き出したら7つ入ってました。半分はもう開いてなかった。月3500円分くらい無駄にしてて、年間で4万超えてたって気づいて、ちょっとショックでした」

サブスクは「契約した瞬間の自分」と「半年後の自分」で使う頻度がまったく違います。一度全部書き出してから、最近1ヶ月で1回でも開いたかを基準に切ると、迷いません。


3週間で固定費を整える順序

順序が大事です。一気にやろうとすると疲れて続きません。3週間で1つずつ片付けます。

1週目:通信・サブスクの棚卸し

クレジットカードと携帯料金の明細を開いて、月額で出ているものを全部紙やメモアプリに書き出します。スクリーンショットでも構いません。

書き出したら、「最近1ヶ月で1回でも使ったか」を基準に〇✕をつけます。判断は2秒で十分です。考え込むほど決められなくなります。

2週目:解約・乗換

1週目で✕のついたサブスクをすべて解約します。退会画面まで2〜3クリックで終わるものが大半です。

通信は、自分の月のデータ使用量を一度確認してから、その量に合うプランを選びます。何ギガ使っているか分からない人は、過去3ヶ月の平均で見るのが安全です。具体的なサービス名は人によって最適解が違うので、ここでは挙げません。比較サイトで月のデータ量と予算を入れれば候補は3〜5つに絞れます。

3週目:家賃補助制度の確認

家賃は引越しが絡むので、いきなり「引っ越しましょう」ではなく、まず今の職場で使える家賃補助制度がないかを確認します。自治体や法人によっては、月1〜3万円の家賃補助が出るところがあります。

制度があるのに申請していないだけのケースは意外と多いです。詳細は保育士の家賃補助・住宅手当が手厚い自治体と法人で整理しているので、自分のエリアと法人の条件を照合してみてください。


家賃補助を使えないなら、住み替えという選択肢

補助制度が薄いエリアや法人の場合、もう一段踏み込むなら住み替えを検討する手があります。

住み替えの候補は、同棲・ルームシェア・実家戻り・法人系の宿舎(借り上げ社宅)の4つです。それぞれメリットとデメリットがあり、人間関係や通勤距離との兼ね合いもあるので、誰にでも勧められるわけではありません。

判断の軸として、引越し費用と家賃差額の損益分岐点を計算しておくと現実的です。たとえば、いまの家賃から月2万下がる物件に移れる場合、年間で24万下がります。引越し費用が15〜20万かかっても、1年経たないうちに回収できます。

🧑
保育士Bさん
「『2万安いところに引越したら年24万違う』って自分で計算してみたら、覚悟が決まりました。引越し代は半年で回収できる計算で、それ以降は丸ごと貯金に回せるって分かったので」

逆に、引越しで通勤時間が30分以上伸びると、心身の消耗で別の出費(外食・タクシー)が増えることもあります。家賃を下げた分が体力で消えるなら本末転倒なので、「家賃 vs 通勤時間」のバランスは自分の体力で判断してください。


副業・投資の話を持ち出す前に

固定費を整え終わると、次に「もう少し増やしたい」と思い始めます。そのときに副業や投資の情報がたくさん目に入ってきますが、保育士は順序を間違えないでください。

副業は就業規則の確認が先

保育士は、法人や園によって副業の扱いがかなり違います。明確に禁止しているところもあれば、申請すればOKのところ、暗黙に許容されているところ、本業に影響しない範囲なら自由なところもあります。

始める前に必ず就業規則を確認してください。詳しくは保育士の副業OK/NGと現実的な選び方に整理しています。何を選ぶかより、まず始めて大丈夫かを先に確認するのが順序です。

投資は元本割れリスクのある世界

「ほったらかしで増える」「絶対に下がらない」「保育士でも月10万」と煽る情報源は、距離を置いてください。投資は基本的に元本割れリスクのある世界で、増えることもあれば減ることもあります。

もし始めるなら、毎月の生活費を3ヶ月分は現金で確保したうえで、少額の積立(月数千〜1万円)から、長期で取り組む前提が現実的です。短期で大きく稼ごうとするほどリスクは跳ね上がります。これは制度上の話で、誰でも同じ条件です。


手取り18万でも本当に貯金できますか?

結論から言うと、できます。ただし条件があります。

条件は、家賃が手取りの30%以下に収まっていることです。手取り18万なら家賃5.4万まで。これを満たしていれば、通信2500円+サブスク3000円程度に収めることで、月1万〜1万5000円は残せる計算になります。年で12〜18万。決して大きい額ではありませんが、ゼロとは違います。

家賃が手取りの30%を超えている場合は、いくら他を削っても残りません。順序として、まず家賃の見直しか家賃補助の申請が先で、そこを動かさずに変動費を削っても効果は小さいです。

もう一段、手取りそのものを少しでも上げたい場合は、処遇改善等加算の使われ方を確認する価値があります。法人によっては配分が不透明なことがあり、本来もらえるはずの金額が反映されていないケースもあります。処遇改善等加算Ⅲの一本化と現場への反映で制度の現状を整理しているので、自分の給与明細と照合してみてください。

また、いま一人暮らしで家計のリアルが見えにくい人は、手取り20万の保育士の一人暮らし家計の数字を一度見ておくと、自分の家計の位置がつかみやすくなります。


家計簿アプリより、まず紙1枚

家計を整えると決めると、最初に家計簿アプリのダウンロードから始めたくなります。けれど、いきなりアプリを入れても続きません。

最初にやるのは、A4の紙1枚です。

左半分に「毎月決まって出ていくもの(固定費)」をすべて書き出します。右半分に「先月、変動で出ていったもの(食費・日用品・交際費)」のざっくり合計を書きます。1時間あれば終わります。

これだけで、固定費の総額が見えます。手取りからその総額を引いた残りが、変動費と貯金の原資です。残りがマイナスなら、変動費を削るより先に固定費を削るしかないと体感で分かります。

家計簿アプリは、紙でやってから「もっと細かく見たくなった」段階で入れれば十分です。順序が逆だと、入力が義務になって嫌になります。


まとめ

「保育士は貯金できない」と諦めかけているあなたに、覚えておいてほしいことは4つです。

  1. 貯金できないのは給料の問題ではなく、家賃・通信・サブスクの固定費構造の問題
  2. 3週間で順番に整える(1週目:棚卸し、2週目:解約・乗換、3週目:家賃補助の確認)
  3. 家賃補助で動かないなら、住み替えの損益分岐を計算する
  4. 副業は就業規則の確認が先、投資はリスクを前提に少額から

節約は我慢ではなく、引き算の順序です。月1〜2万でも、半年・1年と続けば、いざというときに自分を守る原資になります。給料の構造は一夜では変わりませんが、家計の構造は今週末から変えられます。

「保育士の貯金」によくある質問

保育士の手取りでも貯金はできますか?

家賃が手取りの30%以下に収まっていれば、月1〜2万円程度の貯金は現実的に可能です。

手取り18万なら家賃5.4万まで、手取り20万なら6万までが目安です。家賃がこのレンジを超えている場合は、ほかを削っても残りにくいため、家賃補助の活用や住み替えを先に検討するのが順序として効きます。金額はあくまで目安で、住んでいるエリアや家族構成によって個人差があります。

節約は何から始めればいいですか?

変動費(食費・コンビニ)ではなく、固定費(家賃・通信・サブスク)から始めてください。

固定費は一度整え直すと翌月から自動で効きます。変動費の節約は労力の割に効果が小さく、続かないことが多いです。最初の1週間でサブスクと通信の棚卸し、2週目で解約・乗換、3週目で家賃補助の確認、という順序が現実的です。

副業や投資は保育士でもやって大丈夫ですか?

副業は就業規則の確認が必須、投資は元本割れリスクを理解した少額の積立からが現実的です。

保育士は法人や園によって副業の扱いが大きく異なるため、始める前に必ず規則を確認してください。投資は「絶対に増える」ものではなく、増えることも減ることもある世界です。生活費3ヶ月分を現金で確保したうえで、長期・少額・積立の前提で取り組むのが安全な順序です。


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