クマオの話、ちょっと聞いてほしい。

同じ保育園で働く、クマオという男性保育士がいた。千葉の郊外に住んでいて、都内の保育園まで片道2時間かけて通っていた。帰宅は毎晩23時過ぎ。持ち帰り仕事つき。

「よう続けとるな」と思って、ある日ちゃんと話を聞いた。そしたら「もう限界かもしれん」と言った。

転職した今、クマオは自転車で職場に通っている。片道15分。帰宅は19時半。

何が変わったのか。どうやって動いたのか——これはその記録です。


朝6時の電車——クマオの「before」

クマオが住んでいるのは千葉県の郊外。自宅から最寄り駅まで自転車で15分。そこから総武線で都心へ向かい、さらに乗り換えて1時間半。職場に着くころには、すでに疲れていた。

片道2時間。往復で4時間。1日の可処分時間のうち、4時間が通勤に消える。

🐻 クマオ
「朝7時半には電車に乗ってる。帰りは23時過ぎ。実質、家では寝るだけの生活だった」

帰宅後に待っているのは持ち帰り仕事だった。連絡帳の記入、翌日の指導案の修正、保護者向けのお便り。職場では時間が取れない。家に持ち帰るしかない。

23時に帰宅して、食事をして、仕事をして、眠る。

それを365日繰り返していた。

週5日の通勤だけで、年間1,000時間以上が電車の中に消える計算になる。1日8時間労働に換算すると、125日分。やばくないですか、この数字。


転機——ある朝の満員電車

冬のある朝、クマオはいつものように通勤電車に乗っていた。

窓の外は暗かった。隣の人が咳をしていた。吊り革に捕まりながら、クマオはぼんやりと考えていた——「あと何年、これを続けるんだろう」

🐻 クマオ
「答えが出なかった。10年続けるイメージも、1年後のイメージも、何も浮かんでこなかった」

「仕事が嫌いなわけじゃない。子どもたちは好きだ。でも、この通勤が、この生活リズムが、自分を少しずつ削っている」

「このまま続けられるか」という問いに、答えが出なかった日。それが転機だった。


調査期——「場所で選んでいい」と気づいた

クマオが最初にやったのは、スマホで検索することだった。

「保育士 転職 通勤 短い」「保育士 職場近い」「保育士 千葉 転職」——最初のうちは、何を調べればいいかもよくわからなかった。

そのうちに「職住近接」という言葉に出会った。「職場と住まいを近くする」という考え方。

🐻 クマオ
「考えたことがなかった。転職先を給与や福利厚生で選ぶのは当然だと思ってたけど、『場所』で選んでいいんだって初めて気づいた」

これ、疲弊しているときに特有の状態だと思う。選択肢があることが見えなくなる。「今の職場より少しマシな職場に移る」という発想しか出てこない。

でもクマオが気づいたのは、「生活の設計ごと変えられる」ということだった。

調べるうちに、千葉県内・自宅から自転車や徒歩で通える範囲に保育園は十分にあることがわかった。ただ、求人がどこに出ているかが分からない。ハローワーク・求人サイト・園のホームページ——情報が散らばっていた。

👩‍🏫 先生
「保育士の求人は『表に出ていない』ものが多い。特に条件のいい園ほど、エージェント経由の非公開求人として動いていることがある。これはクマオに限らず、多くの保育士が転職活動で最初に詰まるポイントやと思う。」

転職活動——エージェントに電話した

クマオがエージェントに登録したのは、調べ始めてから2週間後のことだった。

最初は怖かった——という言葉をクマオはよく使う。「エージェントに登録すると、しつこく営業される」「すぐ転職しないといけない雰囲気になる」——そういうイメージを持っていた。

🐻 クマオ
「でも実際に使ってみたら、全然そんなことなかった。『今すぐじゃなくていいですよ』って最初に言ってくれたし、希望をちゃんと聞いてくれた」

クマオが伝えた条件は3つ。

「自宅から自転車で通える範囲(30分以内)」「正社員・常勤」「月給22万円以上」

それだけだった。給与を大幅に上げたいわけでも、待遇が劇的に改善されることを期待していたわけでもない。ただ「通勤をなくしたい」——それだけが本当に必要なことだった。

担当者から提示されたのは、5件の非公開求人。求人サイトには載っていない案件ばかりだった。

🐻 クマオ
「自宅から自転車15分の園が2件あった。自分で探してたときは全然見つけられなかった園だ。こんなに近くにあったのか、と思った」

面接は2園で受けた。1園目でほぼ話がまとまったが、2園目の話も聞いた上で、1園目に決めた。理由は「園長の話し方が好きだった」というシンプルなものだった。


After——帰宅後の時間が戻ってきた

クマオが新しい職場で働き始めて、3ヶ月が経った。

朝は8時に起きる。7時45分に家を出て、自転車で15分。8時ちょうどに職場に着く。

以前の通勤時間は片道2時間。今は15分。87%削減、と言うとピンとこないかもしれない。でも1日の往復で換算すると、3時間30分の回収。週5日で17時間30分。月で75時間。これが毎月まるっと手元に戻ってくる。

帰宅は19時30分ごろ。持ち帰り仕事はない。

🐻 クマオ
「20時に夜ご飯を食べて、本を読んで、21時にはお風呂に入れる。当たり前のことだけど、これが信じられなかった」

「当たり前のこと」——それが、以前の生活では手に入らなかったものだ。

料理をするようになった。友人と夕食に行けるようになった。以前は「疲れたから行けない」と断っていた誘いに、応えられるようになった。仕事の内容は変わっていない。子どもと関わること、連絡帳を書くこと、保護者と話すこと——やることは同じだ。

でも同じ仕事をしていても、消耗の仕方が変わった。

👩‍🏫 先生
「職場と住まいの距離が変わると、生活の構造が変わる。疲労の蓄積が変わり、使える時間が変わり、人との関係が変わる——通勤時間は単なる移動のコストじゃない。生活全体の設計に関わっている。クマオを見てて、改めてそれを感じた。」

環境は、変えられる

クマオのこの話を読んで「自分も同じだ」と思った人がいるかもしれない。

通勤が長い。疲れている。でも何から動けばいいかわからない——その状態は、クマオも半年以上続けていた。

「変えられるかどうかわからないから動けない」のではない。動いてみて初めて、変えられることが分かる。

🐻 クマオ
「転職活動、思ってたより怖くなかった。エージェントに登録して、希望を伝えただけで、向こうが求人を探してきてくれた。自分で全部やらなくていいんだって気づいたのが大きかった」

環境は変えられる。ただし、動かないと変わらない。それだけです。


クマオが使ったエージェント

[エージェントA](社宅制度ありの求人に強い・保育士専門)※提携準備中
[エージェントB](関東エリアの非公開求人が多い・担当者が保育士出身)※提携準備中

※記事公開時点で正式な提携エージェントのリンクに差し替えます。



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P.S. クマオは今でも時々、朝の自転車通勤で思う——「あの満員電車の朝から、よく動いたな」と。大したことは何もしていない。エージェントに電話して、話を聞いてもらって、求人票を見た。それだけだ。でも、それをしたかどうかが、今の生活を決めた。