こんにちは。ほいくパークです。

この記事にたどり着いたということは、ピアノが弾けないことで不安を抱えているか、就職活動でつまずいているか、たぶんそのどちらかですよね。

「ピアノが弾けないから、保育士に向いてないんじゃないか」と感じる時点で、あなたはもう子どもの前に立つ自分をちゃんと真剣に考えてきた人。どうでもよかったらこの言葉を検索したりしません。

大事なのは、「ピアノが苦手」と「保育の仕事が向いてない」をちゃんと分けて考えることにあります。ここがいっしょになると本当はやれるはずなのに自分で塞いでしまうんですよ。

よかったら読み進めてくださいね。


朝の会、指が震えていたあの日のこと

「おはようのうた」をピアノで弾く時間が、毎朝こわかった時期があります。

楽譜を見ても音が追いつかない。子どもたちは元気に歌ってくれているのに、伴奏のほうが置いていかれる。指が震えて、ペダルを踏む足まで固くなる。

子どもの歌声を聴きながら、心の中では「ごめんね、ごめんね」って、ずっと謝っていました。

クラスの後ろから、別のクラスの先輩がチラッと見たような気がする。そんな日に限って、保護者が早めにお迎えに来て、ガラス越しに目が合う。

「ピアノが弾けないこんな私は保育士に向いていないんだろうな」

そう、自分に言い聞かせていた日々がありました。おそらく多くの保育士がそうなっているかもしれません。


まず、いちばん大事なことを書かせてください

ピアノが弾けない=保育士失格ではありません。

ピアノが弾けるに越したことはない。それは本当のことです。でも、「弾けないなら辞めたほうがいい」というのは全く別の話なんですよね。

子どもにとって大事なのは、目の前にいる先生が「自分を見ていてくれるかどうか」なんです。鍵盤の上で完璧な指が動いているかどうかなんて関係ない。

「ピアノが弾けないあなた」と「保育士に向いていないあなた」を、まず、ちゃんと別の人として扱ってあげてほしいんです。同じ箱に入れていっしょに自己否定してしまうのが、いちばんもったいない。


保育園で求められるピアノの「本当のレベル」

「演奏が音大レベルじゃないと採用されない」と思っていたら、まずここで肩の力を抜いてください。

保育園で弾くピアノの基準は、バイエル程度。それで、十分です。

必要なのは、「子どもが歌える速度で止まらずに弾けること」。それだけなんです。

弾き間違えても、子どもは気にしません。むしろ先生が一緒に歌ってくれたほうが嬉しい。私の経験ではピアノが上手いことよりも、テンポが安定していて、子どもが歌に乗っていけることのほうがもっとずっと大事でした。

完璧な演奏より、止まらない演奏。これが、最低ラインです。


最低限これだけ弾ければOKリスト

園で頻繁に使う曲は、実はそんなに多くないんですよね。

場面 曲の例
朝の会 おはようのうた、せんせいとおともだち
帰りの会 おかえりのうた、さよならのうた
お弁当 おべんとうのうた
季節(春) チューリップ、ちょうちょ
季節(夏) たなばたさま、うみ
季節(秋) どんぐりころころ、まつぼっくり
季節(冬) ゆき、あわてんぼうのサンタクロース
誕生日 ハッピーバースデー

全部で15曲くらい。1曲ずつ練習すれば、3ヶ月で日常業務はほぼカバーできる量です。

しかも、全曲を完璧に弾く必要は、ありません。右手のメロディーだけでもいい。子どもが歌えれば、伴奏は最低限で大丈夫なんです。

「15曲、3ヶ月」と書くと多く見えるかもしれないけど、1日10分・1曲だけと決めると、ぜんぶあなたのペースで進められますよ。


私もバイエルで止まったまま、保育士になりました

少しだけ、自分のことを書かせてください。

私は、子どものころにピアノを習っていた時期があるものの、バイエルの途中で、ほぼ「やめた」状態でした。

保育の専門学校に入ったとき、いちばん怖かったのが、ピアノの授業。同期に3歳からピアノを習っていた英才教育の子がいて、その子が「月の光」を弾いている横で、私はバイエルの基本フォームを思い出すところからやり直していました。

夜、ピアノ室の予約をして、ひとりで「おはようのうた」を、何回も何回も弾いていた時期があります。誰もいない教室で、自分の指を見つめて、「私、間に合うのかな」って、ずっと不安だった。

実習に行くたびにピアノだけ足を引っ張りました。書類は書けるし、子どもにも好かれている。それなのに、ピアノになると急に体が固まる。

「私、こんなにダメなんだな」って、何度も思いました。

でも今も私はまだ保育士をやっています。

別にピアノが急に上手くなったわけじゃないんですよ。右手のメロディーを、子どもが歌える速度で止まらずに弾けるところまで持っていって、左手はあいた指で和音を3つだけ押さえる、というところで、止まっています。

それで、子どもは、ちゃんと歌ってくれるんです。

「ピアノが弾けないこと」と「保育士でいられないこと」がまったく別だとようやくわかったのは、現場に出てしばらく経ってからでした。


ピアノが苦手な人のための、4つの練習法

まず以下のようにシンプル思考でいいです。

複雑なことを考えるエネルギーは使わないようにしましょう。

ひとつめ:右手だけで弾く

メロディーだけを、右手で弾いてください。左手は、後回しでぜんぜん大丈夫。

子どもが歌える速度で、止まらずにメロディーを弾ければ、そこで「合格ライン」です。和音は、慣れてからで間に合いますよ。

ふたつめ:簡易楽譜を使う

市販の「かんたん保育ピアノ」系の楽譜は、和音を省略して、メロディー中心に書いてあります。これを使ってください。

楽譜屋さんで「保育士向け」と書いてある初心者向けのものを選べば、それでもう、難易度は半分以下に落ちます。

原曲どおりに弾く必要は、本当に、ないんです。

みっつめ:YouTube動画で目で覚える

「保育 ピアノ おはようのうた 簡単」で検索すると、指の動きを真上から映した動画がたくさん出てきます。

楽譜が読めなくても、指の動きをそのまま真似すれば、弾けるようになる。これは、楽譜と仲良くなれなかった人ほど、効きますよ。

よっつめ:1日10分だけ、寝る前に

毎日1時間練習する必要は、ありません。

1日10分、1曲だけ。寝る前に、その日の「おはようのうた」を10分だけ弾く。それを続けるほうが、週末に2時間まとめて練習するより、ずっと指に残ります。

「完璧を目指さなくていい」と決めてしまうと、続けることが急に楽になるんですよね。

ものすごく小さな行動でいい。なにも動かないよりもプラスになれる。


ピアノ以外で音楽の時間を成立させる方法

ピアノが弾けなくても、子どもとの音楽の時間は、ちゃんと成立します。

CDプレーヤー・タブレット

曲をCDやタブレットで流して、自分は子どもたちと一緒に歌う。これは、保育の現場では、まったく問題のない方法です。

「先生もちゃんと歌ってくれる」って、子どもには"一緒に楽しく歌う"それだけで十分嬉しいんですよ。

手遊び歌

「むすんでひらいて」「あたまかたひざポン」「グーチョキパー」——これらは、ピアノがいりません。

手遊び歌のレパートリーが多い保育士は、ピアノが弾けなくても、現場でちゃんと重宝されます。むしろ「あの先生、手遊びが上手だね」と、保護者からの評価が上がることのほうが多いくらい。

ギター・ウクレレ

ピアノは苦手でも、ギターやウクレレなら指が動く、という人もいます。

コードを3つ覚えれば、子どもの歌のほとんどは伴奏できる。「ピアノは無理だったけど、ウクレレで生き残りました」という先生に、私は何人も会いました。

アカペラ

思い切って、伴奏なしで歌う。これも、ちゃんとした選択肢のひとつです。

保育士が、おなかから声を出して楽しそうに歌っていれば、子どもはついてきます。鍵盤の上の指よりも、あなたの表情と声のほうを、子どもはずっと見ているんですよね。


ピアノが「苦手」と「ストレス」を、わけて考える

ここまで読んで、「やっぱり、ピアノはどうしても苦しい」と感じる人もいると思います。

それなら、ピアノが必須じゃない園を選ぶ、というのも、ちゃんとした選択肢です。

企業内保育所。小規模保育園。自由保育を重視する園。ICT化が進んでいて、CDやタブレットで対応している園。こういった場所は、確実に増えています。

「ピアノが弾けないと、選択肢が狭くなる」というのは、思い込みなんですよね。むしろ「ピアノ不問」を条件に絞ると、職場の雰囲気や保育観で園を選び直せるようになる、というメリットのほうが大きいと、私は思っています。

ピアノが苦手なまま、ピアノ中心の園で耐え続けるよりも、ピアノを使わない園で、自分の得意なところで子どもと向き合うほうが、ずっと健全。これは、逃げじゃなくて、合っている場所を選ぶ、ということなんです。


「いつでも弾ける」を、自分のペースで取り戻す場所

ピアノが「弾けないわけではないけど、いざとなると自信を持って弾けない」——この感覚、私のまわりでも、本当に多くの保育士が抱えているんですよ。

完璧に弾く必要はもうありません。ただ、月1回だけでも自分のペースでレッスンに通うと「いつでも弾ける」という余裕が手元にゆっくり戻ってきます。

Beeミュージックスクールは、東京(新宿・渋谷・池袋・赤羽)に教室がある音楽教室で、「保育士・幼稚園の先生のためのコース」が用意されています。防音の個室で、まわりに気を遣わずに練習できる環境。インストラクターは指名制で、合わないと感じたら途中で変えられる仕組みです。

無料の体験レッスンがあるので、自分に合うかどうかを試してから決められますよ。無料レッスン行っただけでもうプラスになるのがいいね。

「変わらなくていい」けれど、自分のままで続けられる土台を、もう一度ゆっくり整える小さな一歩として、選択肢のひとつに置いておくと安心です。

Beeミュージックスクール

眠る前に、もうひとこと

ここまで読んでくれて、ありがとうございました。

最後にひとつだけ。

「ピアノが弾けない、向いてないかも」と検索した時点で、あなたはもう、子どもの前に立つ自分を、ちゃんと真剣に考えてくれている人。それって、本当に素敵ななんですよ。

スルーすることもできたのに、ちゃんと言葉を探した。ちゃんとここまで来てくれた。

あなたは今日まで自分が思っているよりずっと子どもに向き合おうとしてきた。ピアノで止まるたびにちゃんと「もっとうまくなりたい」って思える人。それサボってきた人には絶対に出てこない感情なんですよね。

だから今夜くらいは「弾けない私」を脇に置いて、「子どもの前で笑える私」のほうを、ちゃんと数えてあげてほしいんです。おふとんの中で、子どもが楽しそうに歌ってくれた日のことを思い出して、ゆっくり休んでくださいね。

弾けるかどうかより、子どもと向き合えるかどうか。明日のあなたが、子どもの前で笑えるかどうか。それを決められるのは、ピアノの先生でも、上司でも、私でもなくて、あなた自身です。明日のことは、明日のあなたが決めれば大丈夫。

そしてもし、明日の朝、ほんの少しだけ動ける気持ちが残っていたら、「おはようのうた」を1曲だけ右手で弾いてみるか、ピアノ不問の園を1件だけ眺めてみるか、Beeミュージックスクールの無料体験を眺めてみるか。このうちのどれかひとつだけで、十分です。

それで景色が変わらなかったら、またここで会いましょう。私はこの場所で、ゆっくり言葉を書いています。次に来たとき、ピアノとの距離が、ちょっとだけ変わっているかもしれません。

今日のあなたを、そのまま抱えて、お休みなさい。


ピアノが弾けない保育士の生存戦略FAQ

ピアノが弾けないと保育士は務まらない?

務まります。ピアノ不要の園が増えており、企業内保育や小規模保育では必須ではありません。

CDやタブレットで音楽を流す園、ピアノを置いていない園、自由保育でピアノの出番がほぼない園が増えています。特に企業内保育所・小規模保育園ではピアノなしも多いです。「ピアノが弾けないと選択肢が狭い」というのは思い込みです。

保育士に求められるピアノのレベルは?

バイエル程度で十分。「子どもが歌える速度で止まらず弾ける」ことだけが最低限の基準です。

保育園でのピアノは音大レベル不要。必要なのは「子どもが歌える速度で、止まらずに弾けること」だけ。右手のメロディーだけでも子どもが歌えれば伴奏は最低限で大丈夫。完璧さより止まらないことが最優先です。

保育園でよく弾く曲は何曲覚えればいい?

場面別で約15曲覚えれば日常業務はほぼカバーでき、3ヶ月の練習で十分実用化できます。

朝の会・帰りの会・お弁当・季節(春夏秋冬)・誕生日で約15曲。「おはようのうた」「おべんとうのうた」「チューリップ」「たなばたさま」「どんぐりころころ」「ゆき」など。1曲ずつ練習すれば3ヶ月でカバー可能なレパートリーです。

ピアノが苦手な保育士の練習法は?

右手だけ・簡易楽譜・YouTube動画・1日10分の4つを組み合わせれば確実に上達します。

練習法4つ。①右手だけのメロディーから始める、②「かんたん保育ピアノ」系の簡易楽譜を使う、③YouTubeで指の動きを見て真似る、④1日10分・1曲だけを毎日続ける。1日1時間より1日10分の継続の方が、1ヶ月後の差が出ます。

ピアノ以外で音楽活動を成立させる方法は?

CDプレーヤー・手遊び歌・ギター・アカペラの4手段で代替でき、子どもには十分通用します。

ピアノが弾けなくても音楽活動は可能。①CD・タブレットで流して一緒に歌う、②「むすんでひらいて」等の手遊び歌、③コード3つ覚えればギター・ウクレレで伴奏可、④思い切ってアカペラで元気に歌う。子どもは指先より先生の表情と声を見ています。